取引戦略 市場用語

レンジ相場

読み: れんじそうば

取引戦略 市場用語 中級

概要

価格が一定の範囲(レンジ)内で上下動を繰り返し、明確な上昇・下降トレンドを形成しない市場状態のこと

詳細説明

DeepSage DeepSageによる解説

レンジ相場とは

レンジ相場(一定範囲で価格が上下に行き来する市場状態)とは、明確な上昇トレンド(価格が継続的に上昇する動き)や下降トレンド(価格が継続的に下落する動き)が見られず、価格がサポート(下限の支持帯)とレジスタンス(上限の抵抗帯)の間で往復する局面を指します。トレンド相場(方向性のある相場)に対して、方向性が乏しいため、価格が帯状に分布しやすく、往復の反発を狙う戦略が機能しやすいのが特徴です。市場全体では、強いトレンドの「前後」や重要イベント前の「様子見」期間、あるいは需給の拮抗(需要と供給の力が均衡する状態)時に発生しやすく、グリッド取引(価格帯に階段状の注文を並べる手法)やDCA(定期的な分割購入による平均取得価格の平準化)と相性が良い局面です。

レンジ相場の特徴

  • サポートライン(支持線): 価格が下落しても反発(買い圧力が強まり上昇に転じる動き)しやすい下限ラインです。過去に複数回安値を付けて跳ね返った価格帯や出来高(取引量)が集中した価格帯から形成されます。見極め方は、同水準で少なくとも2~3回の反発、長い下ヒゲ(ローソク足の安値からの戻りを示す影)が出現、出来高増加を確認することが実用的です。
  • レジスタンスライン(抵抗線): 価格が上昇しても反落(売り圧力が強まり下落に転じる動き)しやすい上限ラインです。過去の戻り高値が重なるゾーンや利確(利益確定の売り)が出やすい水準から形成されます。具体的には、上値の切り返しが2~3回以上、上ヒゲ(高値から押し戻された影)の連発、上抜け失敗時の出来高の減少などが目安です。
  • 出来高の特徴: レンジ内では出来高が相対的に低下または横ばいで推移することが多く、参加者の様子見傾向(積極的にポジションを取らない状態)が表れます。対してブレイクアウト(価格がレンジの上限または下限を明確に突き抜ける動き)時は出来高が急増しやすく、方向性の確度が高まります。出来高がつかないブレイクはフェイク(だまし)になりやすい点に注意が必要です。
  • ボラティリティの特性: レンジ相場では日中値幅(1日の高値と安値の差)が相対的に収縮(値動きの幅が狭くなること)しがちで、標準偏差(価格の散らばり具合を示す統計指標)も低下します。トレンド相場では値幅が拡大し標準偏差が上昇するため、ATR(平均真の範囲:ボラティリティ指標)などで比較すると明確に差が出ます。

レンジ相場の識別方法

  • チャートパターン分析: 水平チャネル(上限と下限がほぼ水平で並行な帯)やボックス相場(明確な箱型の高安レンジ)を確認します。少なくとも2~3回の上限・下限タッチ(価格がラインに到達すること)で反発・反落を確認すると信頼度が上がります。高値・安値の更新が止まり、安値が切り上がらず高値が切り下がらない状態が継続しているかもチェックしましょう。
  • ボリンジャーバンド: バンド幅(±2σ帯の距離)が収縮し、スクイーズ(バンドが締まる状態)が続くとレンジである可能性が高まります。実務的には、バンド幅が過去20~50期間平均の70~80%以下に縮む、または価格が中心線(移動平均)周辺で往復する頻度が増える、といった数値目安が使えます。
  • RSI(相対力指数): RSIが30~70の中立帯で往復し、ダイバージェンス(価格と指標の逆行現象)が弱い場合はレンジ傾向を示します。さらに、RSIが50ライン(中立値)の上下で細かく反転を繰り返すと、方向感の欠如を示すサインになります。
  • ADX(平均方向性指数): ADXが25以下(トレンド強度が弱い基準)で推移している期間はレンジの可能性が高いです。DI+(上昇方向指標)とDI-(下降方向指標)が頻繁に交差し、どちらも優位性が長く続かない場合もレンジの特徴です。

暗号通貨市場での実例

  • ビットコインのレンジ相場: 2023年は概ね25,000~31,000ドルの範囲で往復する局面が長く、特に2023年3月~6月にかけては複数回の上限・下限タッチが見られました。過去には2019年6月~9月頃に約9,000~12,000ドル前後での横ばい期間も観測され、出来高の低下とバンド収縮が顕著でした(数値は代表例)。
  • イーサリアムのレンジ相場: 2020年後半~2021年初頭には350~450ドル帯での持ち合い(売り買いが拮抗する状態)が続いた期間があり、その後の強い上昇へつながりました。2022年後半には1,000~1,400ドル付近での往復が長期化し、ブレイク時は出来高増加とボリンジャーバンドの急拡大が同時に発生しました。
  • アルトコインの特性: 主要アルト(BTC、ETH以外の時価総額上位銘柄)はビットコインのボラティリティに影響されやすく、BTCがレンジに入ると相関(値動きの連動性)が高まる傾向があります。一方で流動性が低いアルトはフェイクアウトが増えやすく、同じレンジでもヒゲ(瞬間的な価格の突き抜け)が深く出る点に注意が必要です。
  • レンジ相場の発生タイミング: 強気相場(上昇トレンド)の後の調整局面や、FOMC・ETF承認・大型アップグレード等の重要イベント前は、参加者が様子見に転じレンジ化しやすいです。マクロ指標(雇用統計、CPIなど)の発表直前にも値幅が収縮する傾向が見られます。

レンジ相場での取引戦略

  1. レンジトレード(逆張り): サポート付近で買い、レジスタンス付近で売る戦略です。具体例として、価格がサポートから1~2%上で反発確認(下ヒゲ+出来高増)後にロング、利確はレンジ上限の1~2%手前、損切りはサポート下1~1.5ATR(ボラティリティ幅)に設定します。反対にレジスタンスではショート(信用・先物)や現物の利確・待機で対応します。
  2. グリッド取引の活用: レンジ幅全体に均等またはボラティリティ連動で注文を分散配置します。例:20,000~22,000のレンジなら1%刻みで20本のグリッド、テイクプロフィットは各グリッド上で0.6~1.0%に設定。レンジが狭いほどグリッド幅を縮め、手数料(取引コスト)とスリッページ(約定ずれ)を考慮して最適化します。
  3. ブレイクアウト待ち戦略: バンドスクイーズ+出来高急増+レンジ上限/下限の終値ブレイク(終値で明確に抜けること)を条件にエントリーします。例:上抜けは上限の終値確定+出来高20期間平均の1.5倍以上、押し戻し(リテスト)で半分を追加、損切りはブレイクライン下0.8~1.2ATR。
  4. DCA戦略の活用: レンジ中に一定間隔(毎日/毎週)で定額購入し、価格が下がった分だけ平均取得価格(買いの平均単価)を引き下げます。例:毎週同額購入+価格が直近安値を5%割れたら追加1ユニット買い(DCA強化)など、ルール化が有効です。
  5. リスク管理: 損切りライン(許容損失水準)を先に決め、リスクリワード(期待利益と損失の比)を少なくとも1.5:1以上に設計します。ポジションサイズ(建玉量)は口座の1~3%リスクに収まるよう計算し、連敗時はサイズを段階的に縮小します。

SageMasterでの活用

  • AI Grid Assist: レンジ幅の自動検出(過去ボラティリティと高安帯からの推定)と最適グリッド数提案で、手数料・スリッページを考慮した利食い間隔を設定します。狭いレンジではグリッド密度を上げ、ブレイク兆候(出来高急増・ADX上昇)で自動的にグリッド幅拡大や停止を行い、利益確定を最大化します。
  • DCA Assist: 指定周期と価格イベント(サポート接近、RSI30付近)で購入を自動化し、平均取得価格を最適化します。急落時は安全係数(過度な買い下がりを防ぐ調整率)でペースを抑え、レンジ離脱時は購入一時停止の条件も設定可能です。
  • Omni Assist: Grid(細かい値幅での利確)とDCA(平均化)を組み合わせ、レンジではグリッド優先、下落拡大時はDCA強化でブレイクイーブン(損益分岐)を引き下げます。スクイーズ期はグリッド密度を上げ、ブレイク検出時はサブグリッド停止+トレーリング利確(利益を追随して確保)へ切替えます。
  • DeepSage AI: レンジ検出(ADX・バンド幅・出来高の総合評価)、ブレイクアウト予兆(板気配・ニュース・相関の変化)を分析し、最適戦略の提案と自動チューニング案を提示します。バックテスト(過去データによる戦略検証)推奨設定や、誤検知時の代替プランもガイドします。

レンジ相場の見極めポイント

  • 複数回の反発確認: 上限・下限それぞれで最低2~3回の反発・反落を確認するとレンジの信頼度が高まります。ヒゲの深さと終値位置(最終的な価格)も加味し、終値ベースでラインが機能しているかを重視します。
  • 時間軸の選択: 日足(長期の流れ)では大枠のレンジ、4時間足(中期)でエントリー候補、1時間足(短期)でトリガー(実行の引き金)を確認するのが実務的です。複数時間軸の整合(上位も下位もレンジ)が取れていると精度が上がります。
  • 出来高の確認: レンジ内で出来高が逓減(徐々に減る)し、ブレイク時に急増するかを注視します。出来高のない抜けはフェイクになりやすいため、20期間平均比1.3~1.5倍以上を一つの目安にします。
  • 外部要因の考慮: 重要ニュースやイベント前後の一時的なボラ拡大はノイズ(分析を歪める雑音)になり得ます。イベントカレンダーを参照し、発表直後の初動は確認待ち(例:1~2本のローソク足で様子見)をルール化しましょう。

ブレイクアウトへの備え

  1. ブレイクアウトの兆候: バンドスクイーズ後の急拡大、出来高の平均超え、価格の圧縮(高安の収斂)や連続陽線/陰線の増加が前兆になりやすいです。上限/下限の直近外側に流動性(ストップ注文の溜まり)が可視化される場合も注意です。
  2. 方向性の予測: トレンド指標(ADXの持ち上がり)、相関の変化(BTC主導かアルト主導か)、ニュースフロー(好悪材料)を加味します。また、レンジ内の高値・安値の微妙な傾き(上昇型・下降型の持ち合い)も方向の手掛かりになります。
  3. エントリー準備: 終値ブレイク+出来高条件の成立後、成行または指値で素早くポジション構築します。リテスト(ブレイクラインへの戻り)での分割追撃、損切りはライン内再侵入で即時(またはATR基準)に設定します。
  4. だまし(フェイクアウト)対策: ブレイク直後に1~2本の確定足(時間足)を待つ、出来高閾値(平均比1.5倍など)の必須化、半分サイズで試し玉(小さなポジション)を使い、失敗時の損失を限定します。

注意点・制限事項

  • だまし(フェイクアウト)のリスク: 一時的にレンジ外へ抜けても元の範囲に回帰するケースが多く、過剰な追随は損失に直結します。確認足・出来高条件・分割エントリーでリスクを抑制しましょう。
  • レンジ幅の変動: 時間経過でレンジが狭まる(収斂)または広がる(拡散)ことがあり、固定幅の戦略はミスマッチが生じます。定期的に上限・下限を再描画し、グリッド幅・損切り幅を再調整します。
  • 突発的なブレイクアウト: ニュースや大口フロー(大規模注文)で急変するため、想定外のスリッページとギャップ(窓開け的な飛び)に備えます。逆指値(トリガー付き注文)やヘッジ(リスク相殺のための反対ポジション)を用意しましょう。
  • 機会損失のリスク: 長期レンジに資金を固定すると資金効率が低下します。複数銘柄分散や、ブレイク狙いの別戦略(トレンドフォロー)を並行させると改善します。

初心者向けアドバイス

  • 学習の進め方: チャートの基礎(ローソク足、サポレジ、出来高、移動平均)を2~3ヶ月かけて習得し、過去のレンジ局面を10~20ケース検証(手書きやスクショ注釈)するのが効果的です。指標はRSI・ボリンジャー・ADXの3点セットから始めましょう。
  • 実践での心構え: レンジは「待つ技術」が重要で、欲張り過ぎると天井・底で掴みやすくなります。利確・損切りの機械化(ルールに従う)で感情の介入を抑えましょう。
  • 取引の始め方: まずはデモまたは少額で、1銘柄・1時間軸に絞り、ルール通りのエントリーとエグジット(手仕舞い)を30~50トレード継続して検証します。週次で勝率・平均損益・最大ドローダウン(資産の最大下落幅)を記録します。
  • よくある間違いの回避: レンジ端での過大サイズ、出来高を無視したブレイク追随、損切り先送りが代表例です。例:終値でライン内再侵入したら即撤退、サイズは最初からフルで入らない、指標と出来高の両方で根拠を揃える、などを徹底します。

リスク免責事項: レンジ相場の判定や継続期間の予測は困難であり、突発的なブレイクアウトが発生する可能性があります。投資には元本割れのリスクが伴います。SageMaster Supportが提供するコンテンツは教育目的であり、投資アドバイスではありません。投資判断は自己責任で行ってください。

用語情報

カテゴリ
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難易度
中級
読み方
れんじそうば
最終更新
2025年11月30日

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